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目薬の正しい使い方と意外な落とし穴

目薬は、乾燥や疲れ目、アレルギー対策として日常的に使われる便利なアイテムです。しかし、その使い方を間違えると効果が半減するどころか、目に悪影響を与えることもあります。実は、多くの人が誤った使い方をしているのです。

「1回に何滴させばいいの?」「目薬をさした後はまばたきした方がいい?」そんな疑問に答えながら、目薬の正しい使い方をご紹介します。

目薬の適量は1滴で十分!

「目薬は1回に何滴さすのが適切なのか?」という質問をよく受けます。多くの人が2〜3滴を点眼してしまいがちですが、実際には 片目につき1滴 で十分なのです。

目には保持できる涙の量が約20〜30μl(マイクロリットル)しかありません。一方、市販の目薬の1滴の量は30〜50μlもあります。そのため、2滴以上さしても目からあふれ出るだけで、無駄になってしまいます。

さらに、目薬が目の周りに流れ出ると、皮膚に付着し、かゆみやかぶれ、さらには色素沈着の原因になることもあります。「多くさしたほうが効く」という考えは間違いで、適量を守ることが大切です。

目薬のさしすぎが目に与える影響

「たくさんさせば、それだけ効果があるのでは?」と思うかもしれませんが、実際は逆効果になることもあります。

目には 涙の3層構造(油層・水層・ムチン層) という防御機能があり、角膜を保護し、乾燥や感染から守っています。目薬を過剰に点眼すると、涙の成分が洗い流され、結果的に 目が乾燥しやすくなったり、刺激に弱くなったりする ことがあるのです。

また、点眼薬には防腐剤が含まれているものもあり、過剰に使用すると 角膜に負担をかけることもあります。適切な量を守ることが、目を健康に保つ秘訣です。

目薬をさした後の「まばたき」はNG!

目薬をさした後に、思わずまばたきをしてしまう方も多いのではないでしょうか?しかし、これは 逆効果 です。

まばたきをすると、目薬が目頭の涙点から鼻や喉へと流れてしまい、目に留まる時間が短くなってしまいます。そのため、 目薬をさした後は静かに目を閉じ、目頭を軽く押さえる のがベストな方法です。これにより、目薬の成分がしっかりと角膜に浸透し、効果を最大限に発揮できます。

正しい目薬のさし方とは?

目薬の効果を最大限に引き出すためには、正しい点眼方法を実践することが重要です。以下の手順を参考にしてみてください。

  1. 手をしっかり洗う
    目に雑菌が入らないよう、清潔な状態で点眼しましょう。
  2. 片目につき1滴を点眼する
    容器の先端がまぶたやまつ毛に触れないように注意しましょう。
  3. 目を閉じて目頭を軽く押さえる(1分程度)
    目薬が鼻や喉へ流れないようにするためです。
  4. あふれた目薬はティッシュでやさしく拭き取る
    皮膚に付着した成分が刺激を与えないようにしましょう。

高齢者の方や、目薬がうまく入らない方は、 下まぶたを軽く引いて、そこに目薬を落とす方法 もおすすめです。

花粉症シーズンの目薬の使い方

春になると、花粉症による目のかゆみが気になる方も多いでしょう。花粉対策として目薬を使う際にも、いくつかのポイントがあります。

洗眼用目薬の使いすぎに注意
目の汚れや花粉を洗い流すための目薬は、頻繁に使いすぎると涙のバリア機能を奪い、かえって目が乾燥しやすくなります。

抗アレルギー点眼薬は予防的に使用する
かゆくなってから使うのではなく、 処方通りに定期的に使用することで、炎症を抑える効果が期待できます。

花粉の侵入を防ぐ生活習慣を取り入れる
メガネの着用、こまめな掃除、洗濯物の部屋干しなども、目を守るために有効です。

目薬の保管場所に注意!

目薬の効果を維持するためには、 正しい保管 も重要です。

開封後は1ヶ月以内に使い切る
防腐剤の影響を受けやすく、品質が劣化するためです。

点眼時に容器の先端がまぶたや指に触れないようにする
雑菌の繁殖を防ぐためです。

直射日光や高温を避け、室温で保管する
一部の目薬は冷蔵庫保存が必要なものもありますが、一般的な目薬は 冷蔵庫ではなく、涼しい場所で保管 するのが基本です。

また、 他人と目薬を共有しない ことも大切です。目の感染症の原因になる可能性があります。

まとめ

目薬は手軽に使える便利な医薬品ですが、 誤った使い方をすると逆効果になることもあります。

1回1滴が適量。2滴以上は不要!
さした後のまばたきはNG。目を閉じて目頭を軽く押さえる
花粉症の目薬は予防的に使うのが効果的
目薬の保管場所は冷蔵庫ではなく、直射日光や高温を避けた室温の場所が基本

日々の習慣を見直し、正しく目薬を使用することで、目の健康を守りましょう。

当院では、目の不調や適切な目薬の使い方についてのご相談を受け付けています。目薬を使っても症状が改善しない場合や、自分に合った点眼薬を知りたい方は、お気軽にご相談ください。

 
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