ブルーベリーと目の健康 ― 期待できること・できないこと
「ブルーベリーは目に良い」と聞いたことはありませんか?
サプリメントや雑誌などでよく取り上げられる一方で、「本当に効くの?」と疑問に思う方も多いと思います。ここでは、科学的な知見を踏まえて整理してみます。
ブルーベリーの注目成分「アントシアニン」
ブルーベリーの紫色の色素成分 アントシアニン は、ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持っています。
- 網膜保護作用:光刺激で発生する活性酸素を除去し、網膜細胞を酸化ストレスから守る
- 血流改善作用:毛細血管の働きを安定させ、循環をサポートする
- 視覚サイクルへの関与:「ロドプシン」という光受容に必要な物質の再合成を助け、暗順応(暗い場所に慣れる反応)を支える
臨床研究から分かっていること
ブルーベリーやビルベリー(野生種のブルーベリー)の抽出物を使った臨床研究では、以下のような報告があります。
- 眼精疲労の改善:長時間のパソコン作業による目の疲れに対し、自覚症状が和らいだとする報告
- 暗所視の改善:第二次世界大戦中、英国空軍パイロットがブルーベリージャムを食べて夜間視力が良くなったという逸話があります。科学的な裏付けは限定的ですが、暗順応に関与する可能性は研究されています。
- 加齢黄斑変性症(AMD):抗酸化作用を持つ栄養素群(ビタミンC・E、ルテイン、亜鉛など)と併用することで、網膜疾患の進行抑制に寄与する可能性が指摘されています。ただし、ブルーベリー単独での強い効果は確認されていません。
期待できること
- 目の疲労感や調節力低下の軽減
- 暗い場所での見え方のサポート
- 網膜の酸化ストレス抑制、血管保護の補助
- 抗酸化栄養素と組み合わせた際の、加齢性網膜疾患への進行抑制効果
できないこと
- 視力そのものを回復させること(近視・遠視・乱視の矯正は不可)
- 眼鏡やコンタクトの代わりになること
- 短期間で劇的な効果をもたらすこと
- ブルーベリーだけで病気を予防・治療できること
効果的な摂り方
- 生または冷凍ブルーベリー が望ましい(アントシアニンは熱や光で壊れやすい)
- 1日 20〜50g程度 を継続的に摂るのが目安
- ビタミンC・E、ルテイン、オメガ3脂肪酸 と併せると抗酸化作用が高まる
まとめ
ブルーベリーは確かに「目に良い」食品ですが、その効果は眼精疲労や暗順応の改善、網膜の酸化ストレス軽減といった補助的なものです。視力を回復させる食品ではありません。
目の健康を守るためには、規則正しい生活やバランスのとれた食事、スマホやパソコンの適切な使い方、そして定期的な眼科検診が欠かせません。このような日常生活全体で目を守る習慣が大切です。そのうえで、ブルーベリーを取り入れることは将来の目の健康を支える一助になるでしょう。
医師からのメッセージ
ブルーベリーは目を支える「小さな味方」です。特効薬ではありませんが、毎日の食事に自然に取り入れることで、健やかな視生活のサポートになります。生活習慣の工夫とあわせて、上手に活用してみてください。
