ルテインとゼアキサンチン ― 網膜を守る“天然のサングラス”
朝晩の冷え込みがぐっと増し、吐く息が白く見える日も増えてきました。
それでも日中はどこか秋のぬくもりが残り、季節がゆっくりと冬へ向かっていくのを感じます。
ひそかにこのブログを綴っている「謎のブロガーM」です。
年末に向けて忙しさが増すこの時期、私たちは室内で過ごす時間が長くなり、スマホやパソコンを見る機会も自然と多くなります。
さらにイルミネーションやデバイスの光刺激に触れることが増え、目には知らず知らずのうちに負担がかかっています。
そんな11月の終わりだからこそ、改めて注目したいのが黄斑に存在する
「ルテイン」と「ゼアキサンチン」。
これらは網膜を守る“天然のサングラス”として働き、光と酸化ストレスから中心視力を支えてくれる心強い味方です。
黄斑に集中する二つの色素
黄斑は「ものを見る中心的な場所」で、読書や運転など日常生活の視力に直結します。
この黄斑には、ルテインとゼアキサンチンという二つのカロテノイドが高濃度に存在しています。
- ルテイン:黄斑の周辺部や網膜全体に広く分布し、広域的に光ストレスを防御
- ゼアキサンチン:黄斑中心窩に集中的に分布し、視力の要となる部位を守る
この「役割分担」により、中心部と周辺部をバランスよく守っているのです。
実際に「黄斑色素光学密度(MPOD)」が高い人では、光ストレス耐性が強く、加齢黄斑変性(AMD)のリスクが低いと報告されています。
光と酸化ストレスからの防御
私たちの目に入る光の中でも特に有害なのが ブルーライトと紫外線 です。
- ブルーライトはエネルギーが強く、網膜まで到達して酸化ストレスを引き起こします。
- 紫外線もまた網膜や水晶体にダメージを与え、老化や疾患の一因になります。
ルテインとゼアキサンチンはこれらを吸収する「フィルター」として働き、さらに強力な抗酸化作用で発生した活性酸素を消去します。
そのため「天然のサングラス」と呼ばれているのです。
臨床研究からのエビデンス
米国で行われた大規模臨床試験 AREDS2研究 では、ルテインとゼアキサンチンを含むサプリメントが 加齢黄斑変性の進行抑制に有効 であることが示されました。
特に注目すべき点は、もともとルテインやゼアキサンチンの摂取量が少ない人において、サプリ摂取によって黄斑色素密度が増し、AMDのリスクが有意に下がったことです。
さらに近年の研究では、眼精疲労の軽減、コントラスト感度の改善、光眩しさ(グレア)の軽減といった日常的な「見やすさ」にも寄与する可能性が示されています。
食事からの摂取と工夫
- ルテインが豊富な食品:ほうれん草、ケール、ブロッコリー、カボチャ
- ゼアキサンチンが豊富な食品:トウモロコシ、オレンジパプリカ、卵黄
これらは脂溶性の栄養素であるため、オリーブオイルなどと一緒に調理すると吸収率が高まります。
例えば「ほうれん草のソテー」「ケールと卵の炒め物」といった料理が効率的です。
サプリメントの活用
食生活で十分な量を摂取できない場合は、サプリメントが有効な補助となります。
特に加齢黄斑変性のリスクがある方、家族歴のある方、野菜摂取が少ない方ではサプリメントによる補充が推奨されるケースがあります。
ただし、サプリメントは「薬」ではなく、あくまで食事を補うもの。過剰摂取は意味がなく、バランスの取れた栄養と生活習慣が基本であることは変わりません。
まとめ
ルテインとゼアキサンチンは、黄斑を守る二大カロテノイドであり、
- ブルーライトや紫外線を吸収して光ストレスから保護する
- 抗酸化作用により網膜細胞を守る
- 加齢黄斑変性の進行を抑える可能性がある
といった多面的な働きを担っています。
毎日の食生活に緑黄色野菜や卵黄を取り入れ、必要に応じてサプリを上手に活用することで、将来の視力を守ることにつながります。
医師からのメッセージ
ルテインとゼアキサンチンは、まさに網膜の“天然のサングラス”です。
スマホやパソコンに囲まれた現代社会だからこそ、これらをしっかり取り入れることは将来の目の健康を守る投資になります。食事・生活習慣の工夫とあわせて、無理なく続けていただければと思います。
